目頭切開の医学

● 由来と手術の順番(バランス)

目を大きくする手術は縦に大きくする印象の二重瞼手術、横に大きくする目頭・目尻切開が挙げられます。モウコヒダは目頭側で眼球を隠していますが、太古の昔、モンゴル(蒙古)のゴビ砂漠で砂嵐から眼球守るため発達したのがモウコ(蒙古)ヒダの命名の由来と聞きます。

女性の目は大きい印象に越したことはないのですが、一重なのに二重手術をせずに目頭・目尻切開をやるというのは、バランス的に愛されない顔の印象になります。横に伸びたような目は鋭い印象を与えても、人から愛される印象にはなり難いものです。

●目頭切開(単純な切り取り→W法、Z法へ)

目頭切開は昔は目頭の皮膚の少し鼻よりの皮膚を切り取ったり、蒙古ヒダ自体を単純に切り取る方法が行われてきましたが、それでは傷が目立ったり、キツイ目頭になったり効果も悪いものでした。それに対して内田準一先生(故人)が発表した内田法は目頭の皮膚をただ切り取るのではなく、W型切開にして、そのWの中央の三角皮弁を目頭の奥に差し込む方法です。これにより従来の単純切り取りに見られた、ヒキツレ、術後拘縮による後戻りが大分解決しました。 W中央の三角皮弁の大きさ、角度で目頭の丸さ・鋭さを調整する事ができます。この三角皮弁は愛護的な操作を要求され、挫滅ぎみとなれば拘縮を来たし意味が薄れます。
その後、目頭の皮膚にZ型切開を入れて皮弁を起こし、皮弁の位置の交換を行う術式(Z形成術:Z-Plasty)が発表されました。この方法は通常皮膚の切り取りはしません。利点はヒキツレがなく、また傷が目立ちにくい、目頭の外に傷があまり出ない事です。縦方向の皮膚が皮弁の交換をすることで伸びます。その分、横方向は縮むことになります。これは、蒙古ヒダの成因が縦方向の皮膚の短さから最短コースを通ろうとして目頭を被ってしまうことを本来的に解決することになった大変優れた方法と言えます。

● 目頭切開逆Z法(元に戻す)

目頭切開逆Z法

 「目頭切開の修正ができますか?」と聞かれる事があります。私は平成9か10年から通常の目頭切開Z法と逆の手順で行う通称「逆Z法」で行っています。これはZ法で行った目頭切開だけでなく、W法や単純切り取りで行われたものにも有効です。左の図は図説の項の逆バージョンと言えます。縦方向を短く横方向を長くすることで蒙古ヒダを形成するのです。ただ初回の手術で切り取られた皮膚が戻ってくるわけではないですから、普通に逆Z法でやる分には、手術前と全く同じほどに戻るのは難しいと思って下さい。効果を出そうと無理をすると歪みが生じるものです。
また逆Z法は、傷が目立つところに残ります。それは初めての目頭切開をZ法で行う時のデザインの通りの傷です。縁の内側(眼球寄り)は良いとしても縁より外側(鼻根部寄り)の鼻根部よりに斜めにつく傷が目立ち易いと言えます。患者さんにはお化粧で3〜4ヶ月隠してもらっていますと、後々はすごく目立つような事はありませんが、その気になってみれば分かります。